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昔話

  • FUNAI'S EYE

この半年間に私の目の前で起こっていることを信じるくらいなら『昨日までウルトラマンと一緒にバルタン星人と闘っていました。』って言う人の話の方を信じる。それほどの衝撃が日本だけでなく世界で起こっている。それもたった数カ月間の出来事だった。
中国武漢から拡大した新型コロナは世界中で猛威を振るい今もその勢いは増している。

人はすれ違う際、お互いが避けるように道端に寄りマスクで覆われた顔を背けあう。
笑顔もなく息を潜めるようにエレベーターの中で沈黙する。
リモートと称しPCに向かって発言する会議はまるで独り言を呟いているかのごとく、周りの反応を確かめることもできない。
人混みの中では空咳であっても我慢する。
学生はクラブ活動を自粛し、叔父さんも北新地でのクラブ活動を自制している。
「ペスト」で街からネズミが消えたように海外からのツーリストがアッという間に街から消えた。

春は過ぎ、桜は散った。
そして轟いた雷鳴と共に梅雨はあけた。
しかし新型コロナはまだ収束の気配を見せない。
以前の暮らしに戻れる日はくるのか?
街を往く人々は笑顔を失い、多くの人が職を失った。
お金を失くし、自信を失くした。
新型コロナは我々から多くのものを奪いとった。

でも、決して我々から奪えないものがある。
それは誇りであり威厳である。
人は本当に大事なことを得る為に大きな痛みと引き換えにしてきた。
その意味では我々は近い将来に本当に大事なものを手にすることが出来そうな気がする。
どんなに深く長い苦境や理不尽にも静かに耐えて生き続ける強い力を持ちたい。
そして将来、「コロナの頃な~」ってこの事件を昔話で語れる日を静かに待ちたい。

By Yuji