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大阪府立大学学長と対談しました

2022年2月7日、大阪府立大学 辰巳砂学長が弊社へお越しになりました。2022年4月に大阪府立大学と大阪市立大学を母体とした大阪公立大学という新しい大学が開学し、辰巳砂学長は新大学の学長になられる予定です。新大学の体制と現在の人材教育について、弊社代表取締役 船井がお話をお伺いする機会をいただきました。

※対談内では、大阪府立大学を府大、大阪市立大学を市大と記載いたします。
                 

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まずは、歴史ある2つの大学を統合されるにあたり2つの文化を1つの文化へどうまとめられるのか、船井より質問させていただきました。

船井 2つの、同じような地域、同じような歴史を持っているとはいえ、全く別のバックグラウンドを持つ大学が合わさるとなると、文化的な違いがあるのは当然です。どういったリーダーシップをもって1つの文化へまとめていかれるのか興味があります。

学長 2つの大学は共通するところもありますが、府大と市大では文化が違います。府大は2023年に大学創基140年になりますが、獣医学・農学や工学から始まり、その後、経済や福祉が入るなど統合を繰り返し現在に至っている歴史があります。変革の時は大変ではありましたが大きな進歩がありました。
一方、市大は商科大学を前身とし戦後新制総合大学である大阪市立大学として伝統を継承して歩んでこられました。
統合しても、今までのやり方で良いのではないかという意見もありますが、この機会をチャンスとし、皆で考えて新しい文化を作ろうと考えています。統合するまでに、交流する場を作りお互いを知ってもらいたかったのですが、新型コロナウィルスの感染拡大で思うように場を作れなかったのが残念です。新しい文化を作るためには、地道にお互いを知ることが大切だと考えていますので、私がリーダーシップを取ってというより、各自で交流を深めて欲しいと思っています。30年後50年後世界に認めてもらう大学になるために今は粛々と進めるしかないと思っています。

船井 新しい大学へ入学してくる学生へ期待することはありますか?どうなってもらいたいとお考えですか?

学長 学長として思っていることは、まず、チャレンジングな人になってもらいたい、これは船井社長が社員へ期待していることと共通していると思います。2つ目は、大阪公立大学を、さまざまな人が集まる大学にしたいので、多様な価値観の存在を認め合える人。3つ目は、いつでも新しい学びに取り組める人です。困難なことに直面した時に学べる引き出しをたくさん持つために大学は意味があると思っています。色んな場面で色んな人と出会うことも含めいつでも学べる姿勢がある人になってもらいたいです。

船井 まさに同じです。わが社の社員には独立心を大切にしてほしいと思っています。一人で生きていける力を養ってほしい。思いやりや多様性にしても、教育の実習や実践がなければ自分の中で多様性を認めることは難しいと思います。

学長 大学は多様性を実践できる場です。多様な人が集まっていることが大事だと思っています。今はリアルだけでなく、オンラインでも授業を実施し多様な経験ができます。大阪公立大学では、リアルとオンラインのいいところを合わせていきたいと考えています。

船井 大学でそのように学んだ学生が就職した先の、企業における人材育成についてどう期待されますか。

学長 大学在学中に、先ほど申し上げたような人になってほしいと思っていますが、企業に入ってからも同じです。必要な知識を自ら得る癖付けが大学時代にできていると、大学で準備したリカレント教育(教育と就労を交互に繰り返すことでスキルを高め続ける教育制度)を利用して、学びたい人が学びたいときに学ぶ事が可能になると思います。必要なことを自分から学びに行くという姿勢があれば、企業での教育は必要ないのではないかと考えています。大学は社会人を受け入れる体制を整えていますので学ぶために会社を辞める必要はないと考えています。

船井 以前は、企業教育が画一化していて、会社が十分に教育を与えてくれないから成長できないという受け身な社員が多かった。当社は、学びたかったら自分で学ぶという人材が欲しい、学習する姿勢を持った人間が社会を支えて欲しいと思っています。

学長 そういう学びたい人を受け入れる大学へと成長していきたいと思っています。

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幅広い学問領域を擁し、学びたい時に学びに行ける大阪公立大学がこれから創り上げていこうとする文化について、また、今後育てていきたい人物像についてお話を伺うことができました。大学時代に、多様性を認め合い、チャレンジ精神や学ぶ姿勢を身につけた人材に、受け入れる側の一企業として、入社後彼らにどんなかたちのサポートが必要か、そして、当社の“人材教育”の在り方についても再考する貴重な機会となりました。大学でそれらのスキルを身につけてきた新卒者だけでなく、全社員に関することと捉え、一歩踏み出す勇気を持つ人や学び続ける人を応援・サポートし、お互いに尊重し合えるような会社を全員で目指していきます。