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台湾旅行
- FUNAI'S EYE
第8旧帝国大学は台北にあり台北大学と呼ばれていた。
日本の敗戦により、それは台湾大学と名前を変え9校あった旧帝大は
ソウル大学と台北大学の分離独立により7校となり今に至っている。
それは私が生まれるたった8年前の出来事である。
つまりそれまでは台湾の最高学府である台湾大学でも日本語で授業が行われていただけでなく
台湾国民のすべてが日本語を話していたのであった。
降り立った台北空港の空気は意外と爽やかで心地よかった。
空にはこれから訪れるだろう雨の色と、
空気には昔懐かしい下町の臭いも交じっていた。
風水を強く意識した寺院は至るところに彫刻が施されている。
そして、もうもうと香の立ち込める寺院では敬虔な人々が一心に祈りを捧げている。
台北市内・九份とお決まりの観光コースを回るが今回の旅行は何かが確実に違っている。
一つはガイドさんが今までのどの社員旅行よりも我々に友好的で好意的なのだ。
優しいのである。
その優しさはおとなしいとか喧嘩腰じゃない、というのとは少し違うように思える。
つまり相手の気持ちを忖度(そんたく)できるのである。
その意味では今の日本人以上に日本人っぽいところがあるのかもしれない。
ガイドさんと話していて、
ふと私の幼い頃に会った遠い親戚の叔母さんと話しているような気持ちになったのも、
そんなところからきたのかもしれない。
参加した社員もいままでになくリラックスしていたようにも見える。
当社で慰安旅行が始まったのはいつからだろう?
若狭・北海道・金沢・ソウル・ハワイ・沖縄とたくさんの場所を訪れてきた。
毎年の会計年度末の結果としての慰労である。
今や慰安旅行など昭和高度成長期の置き土産のような福利厚生であるかもしれないが、
私はこの時代遅れの行事がなんとなく気に入っている。
アルバムに写真を張り付けてしまえば、どんな楽しい旅もそこで記憶は終わってしまう。
しかし、今回の台湾旅行は20周年を迎える我々にとって間違いなく大きな節目となり、
新たな時代を迎えるに相応しい機会であったようにも思える。
幹事始め旅行代理店の方々にも大変世話になったことに感謝したい。
一人きりで帆を張り漕ぎ出した舟が沢山の人の力と理解と愛のおかげで20年目を迎えている。
今回の社員旅行は私にとって全てが違っていた。
Report by Yuji