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私の選ぶベスト10 (駅弁編)

  • FUNAI'S EYE

旅が好きだ。
飛行機で一気に飛ぶのもいいが列車でのんびり行く旅も格別だ。
そんな列車での旅の魅力は車窓から見る景色、それと何といっても駅弁だろう。
わざわざランチタイムが車中になるように仕事のスケジュールを組むことだってある。
そんな中で見つけた私の駅弁ベスト10をご紹介しよう。
但し、これは豪華な幕の内や御膳というものでなく、あくまでもご当地の単品一本勝負!というような弁当を選んでいる。
景色をおかずに弁当をパクつく。そして再び景色に見とれた後大きな口で残りをかきこむ。
駅弁ならではの醍醐味だ。
人は自分をご機嫌にすればどんな悩みだって解決できそうな気になるものだ。
そんなご機嫌な笑顔で選んだ10選である。

第10位 峠の釜飯 (長野駅・長野)

昔、大阪から名古屋を経由し信州まで夜汽車に揺られて一晩かけてスキーに行った。
今ほど駅弁というものがポピュラーではなく大阪には水了軒の幕の内弁当くらいしかない時代にこの釜飯は圧倒的な人気を誇っていた。
ところが、その頃は立派な陶器に入っていたのに今や釜飯と呼ぶにはあまりにもお末なものになってしまっている。
でも駅弁の殿堂ともいうべきこの釜飯をリストから外
すことはできない。

第9位 函館みかどのカニ飯 (函館・北海道)

カニは北海道の定番として外せない食材である。
酢飯と呼べるほど酢は効いていない。
でも雄大な海を眺めつつ食べるカニ飯こそ北海道を感じる時になくてはならない駅弁である。
又、こんな旅の時くらいカニという高級食材を弁当一面に散らばめる贅沢を味わえるのが何よりも嬉しい。

第8位 いか飯(札幌・北海道)

北海道が続く。さすがに食材には恵まれた土地である。
イカに米を詰め込みタレで炊き込んだだけのシンプルなイカの煮込み飯ともいうべきその素朴なアイデアにうならされる。お箸でなく手づかみで指をネトネトにしながらむしゃぶりつくのは食事というより戦いだ。

第7位 たん塩弁当 (仙台駅・宮城)
 

何故牛タンが仙台の名物になったのだろう?
仙台牛が美味しくて有名なのは理解できる。
それならスキヤキ弁当、焼肉弁当、ステーキ弁当の方が名物であっても良い筈だがなぜ牛タンなんだろう?という素朴な疑問を投げかけながら頂くのが良い。
関西人には少々強めの塩味が車内だとなんとも言えず美味に感じる。

第6位 深川飯 (東京駅・東京)

昔、深川飯は江戸っ子のアサリ汁のぶっかけ飯だった。
つまりワッサワッサとかきこむお茶漬け感覚のものだったが今やいっぱしの高級弁当になっている。
ただこれだけでは少し物足りない、という時には東京駅に入る前に大丸地下の総菜コーナーでお好みの総菜を買い合わせて食べるのが良い。
できればお酒など添えればグッと引き立つ。

第5位 焼鯖寿司 (若狭・福井)

昔から足の速い鯖の食べ方はきずし、鯖寿司、バッテラと決まっていた。
でも足が速いのだから焼いてしまえば!という発想には誰も至らなかった。
焼鯖なのに脂が乗って実に旨い。生姜が挟んであるのもなんとも相性が良い。
シンプルな調理法なのに誰も気づかなかったこの新しい食べ方に拍手を送りたくなる。

第4位いわしずし 清広食品 (博多駅・福岡)
  

酢で〆たイワシにおぼろ昆布が巻いてあり深い味わいがある。
何よりも近海で獲れる関サバや関アジでなく鰯を利用することで安易に流行りに流されることのない気骨を感じる。
博多駅の弁当売り場で『俺が売れ筋だ!』と正面で主張することもなくひっそりと片隅で佇んでいる姿はまるで博多美人に出会ったような気にさせてくれる。

第3位 貝づくし (品川駅・東京)

東京湾は寿司ネタの宝庫だ。
そんな東京湾に最も近い新幹線の駅が品川なのだ。
この写真の貝の種類を見て頂きたい。
江戸っ子好みらしい派手な盛り付けはこれでもか!といわんばかりだ。
どう見てもこれが不味いわけがない。正に江戸っ子の食べ物だ。
この時ばかりは浪速生まれの江戸っ子と化して一挙にガツガツとむしゃぶりつく。

第2位 ひっぱりだこ飯 (新大阪/明石・兵庫県)

小さな漬物型という器にも趣きがある。
タコのぶつ切りが上にのり中にはタコの天ぷら(練り物)もあり実に美味である。
大阪らしいちょっと悪ふざけのネーミングも旅先ではさほど嫌味にならず却って微笑ましいが、ネーミングの割には販売している店も限られており大阪人的な目立とうとしゃしゃり出ていないのが何よりも私のお気に入りなのだ。

第1位 とん蝶 (新大阪駅・大阪)

絹笠食品という和菓子屋さんが作っているおこわ飯で、大豆と塩昆布を合わせ彩に小梅が添えられている。
黒豆他いくつかのシリーズがあるが塩加減が実にいい。

これもひっぱりだこと同様、取扱店は構内の1店舗のみ。
目立たぬようにひっそりと、、、
昔のいとはんやこいさんが車窓から外を眺め口元を隠しながら、はんなりと食べている姿がとても似合いそうな逸品である。

人生は旅そのものである。
急ぐ旅にのんびりした旅。遠回りに近道。要領のいい旅、悪い旅。
どんな人生にも価値があるようにどんな旅にも情緒がある。
だけど一つだけ人生ではできないことがある。
それは後戻りだ。
どんな人生だって素晴らしい、でも後戻りだけは決してできない。
車窓から流れる景色を見ながらそんなことを考え駅弁を頬張れる。
そんな日本の汽車の旅が私は大好きだ。

おしまい。

By Yuji

 

(番外編)いき わだ市 鰻弁当 (品川・東京)

新幹線の品川駅を利用することが多い。ただ駅構内が小さく弁当屋さんも少ないので駅弁を選ぶ楽しみがなかった(貝づくしに出会うまでは。。)。そんな品川駅だが隣接する高輪Winds地下の食料品店にあるわだ市の鰻弁当は最高だ。
これを新横浜駅を過ぎるまで我慢できれば私が代金を払ってもいい。