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土曜の”うさぎ”  ~7月土用の丑の日~

  • FUNAI'S EYE

幼い頃に鰻屋の軒先にかかる看板がどうしても「うさぎ」に見えた。東京 東家うさぎ
この店では客がウサギを食べているのだろうか?と子供心にも胸を痛めた。
それがマムシのことであると知るまでには相当な時間がかかった。

背開き後一旦蒸してからタレにつけて焼く江戸流と腹割きで蒸さずに皮をカリッと焼く大阪の所謂「まむし」と名古屋の「櫃まぶし」が日本では鰻の3大料理法であろう。
しかし「鰻は細切れにせず一匹を丸ごとガバッと喰うべし。」という私の信条からして
櫃まぶしは落っこちである。

大阪の「まむし」の名前の由来は諸説あるが私は「間蒸す」から来ていると信じている。
蒸さずにそのまま焼くからどうしても脂がたっぷりと身に残っている。
それをサンドイッチのように熱々のご飯の間に入れて蒸すので「間蒸す」となった。
それこそが「鰻」の本来の食べ方であると長い間固く信じていた。
しかし江戸流に接してからというものは私の舌は完全にそちらに馴染んでしまった。
というより大阪風の「まむし」を提供する店が随分少なくなってしまった。
今や私の知る限り大阪で本当のマムシを食べられるのは「黒門川ひろ」
くらいではないだろうか。

そんな江戸流鰻好きの私のご贔屓は意外にも東京ではなく大阪にある。
堂島川のほとりにあるこの店は東京に比べても引けを取らぬほどの名店である。

特にこの店の肝焼きとなら私は心中しても良い。とまで思っている。注文を聞いてから焼いてくれる蒲焼を待つ。大阪 志津可3大阪 志津可2大阪-志津可1
その間に肝焼きとビールで
前戯は始まる。
肝には山椒もいいが七味も良い。
後には蒲焼が控えているから
「お前とはここまでね。」
などと独り言を言いながら頂く。
大阪風なら鰻丼だが江戸流の鰻を
頂くなら蒲焼にしなくてはいけない。
そして山椒は好みによるが鰻でなくご飯にかけると一段と鰻の味を引き立てる。

大正ロマン漂う店内で堂島川からのライトアップに照らし出される
中ノ島公会堂を見ながら肝焼きを頂き、
なさぬ仲の肝焼きに言い聞かせるように別れを告げ蒲焼に移る。大阪 志津可6大阪志津可5
あぁ、今宵も肝焼きと心中し損なってしまった。

By Yuji
うさぎ美味し、かのやま~♪
(♪ウサギ多い、鹿の山~って言う人もいるらしいけど。。
兎に角、土曜の夜はウサギに限る!♪)